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サンアグロは、商系ではトップレベルを誇る販売網の取りまとめ役として、6社を中心に、情報提供力と経営支援力を駆使しながら、系列農薬・肥料商のみなさまへの多彩な商品を提供してまいりました。
永年にわたり築き上げてきた、日産化学、日本農薬、シンジェンタ・ジャパン、バイエルクロップサイエンス、南海化学はじめ主力メーカ各社との信頼関係を基に、水稲果樹園芸用農薬・土壌くん蒸剤・植物活性剤などの優良商品をみなさまへお届けしています。
農薬では「安全性」と「環境問題」、そして適正にそれらを使用するための技術情報など、業界全体の健全な成長につながるビジネスを展開していきたいと考えています。
製品紹介
代表的な取り扱い製品をご紹介します。
土壌消毒剤「クロルピクリン錠剤」
刺激臭が少なく、安心して使用できる土壌消毒剤です。
成分
有効成分はクロルピクリンが70%以上で、その他ゲル化剤などが含まれています。1錠のクロルピクリン含有量はクロルピクリンの液剤3cc弱と同じ程度ですが、有効成分が100%土中に発揮され、かつ徐放性であるため、土中での拡散もよく、効果は1錠が液剤の3ccとほぼ同等です。
安全性
クロルピクリン錠剤は、クロルピクリンを固形化したものをガス不透過・水溶性のPVAフィルムで真空包装したもので、施用時のガス放出がなく、催涙・刺激臭を殆ど受けることなく安全に使用できます。
施用後は、フィルムが土壌水分で溶解し、土壌中でのガス化はスムーズに行われますので、土壌中での挙動は液剤と同じです。
適用作物
薬効成分はクロルピクリンですので、液剤と同様、下表の通り広範囲の作物での使用が可能です。
使用場所 | 使用量 | 作物名 | 適用病害虫 |
---|---|---|---|
床土堆肥 | 1穴当り 1錠 |
あぶらな科野菜、うり科野菜、トマト、ピーマン、なす、ほうれんそう、レタス、セルリー、アスパラガス、にんじん、ごぼう、いちご、ねぎ、たまねぎ、陸稲、麦類、豆類、とうもろこし、ばれいしょ、かんしょ、さといも、やまのいも、こんにゃく、てんさい、たばこ、きく、あま、カーネーション | 立枯病、つる割病、萎ちょう病、青枯病、疫病、紋羽病、黒根病、白絹病、センチュウ類、ハリガネムシ、ネキリムシ、ケラ |
ほ場 | たばこ | わい化病 | |
あぶらな科野菜、いちご | 萎黄病 | ||
しょうが | 根茎腐敗病 |
処理方法
床土・肥土消毒
床土、堆肥を15cmの高さに積み、30×30cmごとにバラタイプの錠剤を1錠ずつ内包装のまま置きます。次に30cmの高さに床土を積み上げ、同様に錠剤を置きます。これをくり返し、最後に床土を積み上げた後は、その上には錠剤を置かずにポリエチレン等で被覆します。 処理後は10日間程度被覆し、その後ガス抜きを行います。できればガス抜き後さらに7日間程度放置して播種または定植してください。
手作業による部分消毒(植穴処理、畦内処理等)
耕起整地後、30×30cmごとに深さ15cmの位置に、バラタイプの錠剤を1錠ずつ、内包装のまま施用し、直ちに覆土し、被覆します。処理後は1.床土・肥土消毒に準じます。施用方法は、以下の方法がありますが、これに限らず簡便な方法があれば、工夫して実施して下さい。
- 錠剤を1錠ずつ30×30cmごとにおき、棒状のもので土中15cmの深さに押し込んで埋め込む。
- 30×30cmごとに棒状のもので深さ15cmの穴をあけ、その後錠剤を1穴当り1錠ずつ埋め込む。
- 薄切り機で、30×30cmごとに深さ15cmの溝を切り、30cm間隔で錠剤を1錠ずつ埋め込む。
※現在手動式の施用機を開発中です。
しょうが向けの1平方メートル10錠処理
しょうがの「1平方メートル当り10錠処理」を行う場合は、耕起整地後1平方メートル当り10錠を内包装のまま地表面に均一に散布し、直ちにポリエチレンシート、ビニール等で被覆するか、または、所定量を地表面に均一に散布した後、トラクタのロータリーで混和覆土し、直ちにポリエチレンシート、ビニール等で被覆すること。
処理後は10日以上経過してから、植付けをしてください。
葉たばこ向けの畦内消毒
耕起整地後、施肥溝を切る要領で5〜10cmの溝を切り、その中に30〜40cm間隔でバラタイプの錠剤を1錠ずつ施用します。
その上に軽く覆土後、施肥を行い、生計畦立、被覆を行います。
錠剤の処理間隔は病害の発生頻度に応じて30cmと40cmに分けることが大切です。処理後は、地温に応じてガスの抜け具合いを確認しながら、30〜40日後に移植してください。
- 作業時の溝切りから被覆までは、その日のうちに必ず終了して下さい。
- 土壌水分の目安は、湿気があり土を握って放すと2〜3個に割れる程度です。溝きり時、土壌水分過多の場合は、溝の乾燥を待ってから、水分過少の場合は、散水後に薬剤処理を行って下さい。
- 地温が低い時は、移植1週間程前にガス抜きをして臭わないことを確認してから、移植してください。
- 畦立時、錠剤が移動しないようロータリーの中ヅメをはずして畦立てをして下さい。
- 堆肥が乾燥し過ぎたり、逆に水分過多の場合薬害や効果が低下することがたまにありますから注意して下さい。
写真で解説「ロータリー混和使用例」
-
1.土壌をよく耕起しておく
-
2.錠剤を散布する
- 1平方メートルに10個を基準 (多少の増減は可)
- コツとしては7割をラフに撒き残りを撒きむらがあった所に撒く
-
3.ロータリーにて混和
-
4.被覆をする
-
5.42日後
よくあるご質問 Q&A
施用前には、必ず作物残渣を取り除き、十分に耕起整地を行って下さい。
また土壌水分の目安は、湿り気があり土を握って放すと2〜3個に割れる程度です。土壌水分過多の場合は乾燥を待ってから、水分過小の場合は散水後に薬剤処理を行って下さい。
また、アルカリ肥料を本剤処理前に施用すると、薬害が発生する恐れがありますので、これらの肥料はガス抜き後に施用して下さい。
フィルムは、土中の水分で数時間後には溶解を始め、数日後には分解消滅します。尚、地温が低い場合は、分解消滅するのに時間がかかりますが、薬効薬害には問題ありません。
またクロルピクリンガスを放出した後の錠剤は、直径1cm以下になり、その後もフィルムとともに15〜20日後には土中で分解消滅し、環境汚染や薬害の原因にもなりません。
本剤は、1錠毎にガスバリア性のフィルムで真空包装されていますが、開封するまでの間に外包装の中で僅かのガス放出があるため、開封時に若干のガス臭を感じることがあります。
従い、外包装の開封は風通しの良いところで、風下に向かい顔を離して行って下さい。開封後しばらくすると、外包装の中にあった僅かのガスは飛散し、ガス臭は殆どなくなります。
地温15度以上の場合、下図のようなスケジュールとなりますが、低温時には処理からガス抜きまでの期間を10〜14日以上、ガス抜きから播種、定植までを7〜10日以上に延長する必要があります。
また葉たばこや他の作物でマルチ畦内処理を行う場合は、作物や地温によりますが、目安として施用30日後に定植してください。
それ以前に定植を行う場合には、事前に必ずガスが抜けていることを確認してからにして下さい。
処理後はその日のうちに必ず土壌表面をポリエチレン、ビニール等で被覆して下さい。もし被覆しない場合はクロルピクリンガスが大気中に放出されてしまい、十分な効果が期待できないと共に気化したガスにより、周辺作物や住宅などに被害を及ぼす恐れもあります。
また被覆しない状態で雨などが降った場合、クロルピクリンガスが土壌水分により封じ込められ、ガスが抜けにくくなり、薬害の原因にもなります。
全面処理の場合は、ロータリー等で切り替えしをする(ガスを抜く)か、あるいは畦内処理、植穴処理の場合は、マルチに穴をあける(ガスを逃がす)などし、播種または定植前には必ずガス抜きを行って下さい。
ガス抜きが不完全であると、発芽障害や、生育期の生育不良の原因にもなります。
雨天時は屋外では絶対に使用しないで下さい。ハウス等、屋内でもできるだけ避けて下さい。万一屋内で使用する際は、本剤に水分が付着しないよう十分に注意して下さい。また、夏場のハウス内は高温、多湿となりますので、使用時には少量ずつ開封し、ハウス内ではすばやく処理するようにして下さい。
外包装を開封後に本剤を放置していると、錠剤のフィルムが空気中の水分を吸湿し、徐々にガスの放出が始まります。また使用し切れずに残った錠剤を再度外袋に入れて保管することは避けて下さい。一旦開封すると錠剤のフィルムは吸湿するので、その状態で長時間保管するとガスの放出が始まり、再度使用する際には激しく臭気を感じることがあります。
従い、開封後は必ず全量をその日のうちに使い切って下さい。
大面積を処理する際は、表層に錠剤をバラ撒き、ロータリーにて 混和する方法が便利で、小面積を処理する際あるいは植穴処理等部分処理をする際は、手作業で行います。尚、詳細はクロルピクリン錠剤の使用方法、処理方法の項を参照してください。
直射日光の当たらない、鍵のかかる冷暗所に保管して下さい。本剤は未開封の状態でも長時間直射日光下に置くと、変質する恐れがあります。
植穴処理、畦内処理を行うと薬量の低減になります。 病害虫の発生程度に応じて、各作物で工夫して使用してください。